2011年11月9日水曜日

東京アート研修 最終日。

東京一人旅、いよいよ最終日!
支度を終え、チェックアウトする前に記念に写真を。
 人生の中で考えればたったの10日間しか生活しなかった部屋だけど、
きっと何年経ってもこの写真を見るたびにたくさんの記憶と感情が
めまぐるしく思い起こされると思う。そのくらい大きな10日間でした!

いつも部屋へと帰るとき、あるいは部屋から出発したとき、
必ず通っていた道。神田って、もっとゴチャゴチャしたイメージだったけど、
こんな穏やかで落ち着いた場所もあるとは。
 神田駅周辺はこんな感じ。
 晴れてよかったなー。
東京に来て一度も雨が降らなかった。
そのおかげでいつも晴れ晴れとした気持ちでいれたし、
歩きまわるのもそんなに苦痛じゃなかった。
雨だったら行けなかった場所もたくさんあっただろうなー。

そして電車を乗り継ぎ、上野毛駅で下車。
 閑静な住宅街が続きます。
 そして多摩美術大学へ。
 此処こそまさに憧れとしていた美大のひとつ!
 夏休みということもあって構内はひっそりとしていました。
 ひっそりとしていながらも、数少ない煙草の吸殻や空き缶が
ここで学ぶ学生たちの息吹を感じさせます。

こんな広い中庭も!
 彫刻もたくさん。豆電球だー
 ここで学生たちは思い思いに制作に取り組んだりたわいもない会話をしたり
学生生活を楽しんでいるんだろうなーと勝手に想像を膨らませました。
 そして電車で20分ほど、横浜駅へ。
この日は「美術検定」の対策講座を受けてきました。
横浜そごうのよみうり文化センターにて。
受講者はわりと主婦の方が多く、私が最年少だったかも。
3・4級向けのやさしい解説で検定について詳しく知ることが出来、
検定を受けることを決断しました。

そして横浜から羽田空港までの直行バスに乗ります。
 横浜の景色は本当に綺麗!
 なにより海を見れるのが私にとって最大の魅力(´ω`)

そして飛行機に乗り込みます。
 この土地に対して感慨深すぎて窓の外から視線を離せず!
そして一時間かけて福岡へ帰りました。
切ないけれど、どこかすっきりともしていました。
自分を満たしてくれるもの、
自分の原動力になるものを見つけることが出来たと、
東京に行ったことで改めてそれをひしひしと感じました。

美術館とギャラリーを40か所ほどまわることで、
これまで満たされなかった何かを埋めることができたように思います。
ずっとずっとこういうことをしたかったんだろうなー。
九州にいるとどうしても見るものは限られ、活動の範囲も狭まりますが、
東京での10日間で見たこと感じたことを忘れずに、
芯を持って自分のやりたいこと、やるべきことを
気の済むまで見つけて行きたいです。

この一人旅のことを思い出すたびにSMAPの曲が頭に流れるし
SMAPの曲を聴く度に神田のあの部屋を思い出す。笑
部屋でたまたま見たスマステのSMAP特集から始まった
私のSMAP熱(森くん熱ともいう)はいまだ冷めません。
なんだかとっても愛おしい!東京の想い出とSMAPの曲とのコラボが!

そんなこんなでようやく東京アート研修の記事を終えます。
あれから2カ月近く経つとは。
今なお将来の事に悩む日々ですが、
改めて東京での日々を思い返して、
やっぱり気の済むまでこうやって身体を動かして
自分の身体で体験することが大事だなあと思いました。
動いてみないと分からないし、動かないと満足できない。

こういう機会を与えてくれた親には心から感謝します!
もちろん自分の貯金も崩したけど、
親の支援なくては10日間も満足いくほど過ごせなかった。
本当に本当にありがとうございます。

長くなりましたがこれで終わります!
そもそもこのブログを設立したのはこの夏休みの活動を
記録しておきたかったためですが、
これからも私の活動についてはブログに記録していきます。
読んで下さった方々ありがとうございました。
参考にしたいので感想等いただければと思います。
よろしくお願いします。

2011年11月8日火曜日

東京アート研修 その九。

東京に来て9日目です。
東京で夜を迎えるのはこの日が最後になります。

まず朝起きてダッシュで六本木に行き、
森美術館にて「メタボリズムの未来都市展」!
その日が初日で、開館直後くらいに行きました。
1960年代、つまり日本が高度経済成長期へと移行した時代、
丹下健三に強い影響を受けた黒川紀章、菊竹清訓、槇文彦といった
建築家たちを中心に展開された建築運動「メタボリズム」を総括する展示です。
メタボリズムは、生物学用語で「新陳代謝」を意味します。
それは、環境にすばやく適応する生き物のように次々と姿を変えながら
増殖していく建築や都市のイメージでした。
東京湾を横断して伸びていく海上都市、
高く延びるビル群を車が走る空中回廊でつないだ都市など、
とにかく建築家たちの発想が面白すぎる。
CGを駆使した映像としてその都市イメージを見ることができ、
様々な建築家の、斬新さに富んだ思想を生々しく感じることが出来ました。

それから渋谷に行き、高校の友達とランチ!!
こんなオサレなカフェに行きました。
ドラマ「ブザービート」に出てきたらしい!
久々に会えて沢山話せてよかったなー。
相変わらずな感じでした\(^o^)/
帰りに駅まで歩いてたらたまたまライブペインティングが行われていました。
町中がこんなアートで溢れてたらもっともっと楽しいでしょうに。
それから白金台へ行き、東京都庭園美術館へ。
大きな庭園を進んでいくと、周りの自然に馴染むように美術館が建っていました。
この美術館の特徴としては、建築自体が美術品であることです。
1920年代から1930年代にかけてヨーロッパの装飾美術を席巻した、
アール・デコ様式を現在に伝えるものです。
フランスのデザイナーと日本の建築家により、
アール・デコ様式の中にも日本独特の感性を融合しています。
内装を撮れなかったのは残念でした。
機能的でありながらも装飾美をもったアール・デコのデザインは、
華やかでありながらしつこすぎず、控えめで、とてもシンプルです。
普段の生活じゃ触れられない上品で贅沢な空間を楽しめました。

中では「皇帝の愛したガラス」展が行われていました。
ガラスにはあまり興味がなかったのですが、
いざ眺めてみると、知識のない私でもこれはすごい・・!となんとなく分かりました。
息をのむほどの美しい作品も。
ガラスならではの透き通った輝き、技巧の凝らされた装飾、
絵画とはまた別の魅力を感じました。コレクションしたくなる気持ちもわかる。

美術館の周りの庭園は実に広大で、野外彫刻もちらほらありました。
大人から子ども、お年寄りの方々も各々庭園でくつろいでいました。
東京のど真ん中でこんなに自然に囲まれて、こんなに感性を刺激されて、
こんなに心の安らぐ場所はあるのだろーかと!
木漏れ日がとっても綺麗です。
芝生も丁寧に整備されていて、寝っ転がりたくなるほどの気持ちよさ。

そして白金台をちょっと歩くと、松岡美術館が。
歩いていける先にまた別の美術館があるってのが本当に嬉しい。
「松岡コレクション 西洋絵画の中の人びと―ジョン・エヴァレット・ミレイ、
ルノワールからシャガールまで―」という企画展をやっていました。

ルオーの道化師もあり、とっても豪華な作品群がずらり。
シャガールの幻想的な世界観と色彩の遊ぶ絵画にはみとれました。

それから特に気に入ったものを撮影したのですが(撮影可でした!)
なんと作家と作品名をメモするのを忘れていたので全く情報がない!
ご存知の方がいればどうか教えてくださいませ。。
この絵はヴラマンクかなー?違うかも・・

特にこの絵が印象的でした。
絵の主題が好きだった。
神話をモチーフとして、近代の風景に寓意をねじ込んでいる。
誰の作品だったけなあ・・・不覚!

そして銀座へ行き、ポーラミュージアムへ。
「国際建築イラストレーション」展が。
世界建築会議2011東京大会の関連イベントとして、
日本、中国、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどなど
各国の建築イラストレーションが一堂に見られる滅多にない機会です。
約200点もの作品が所狭しと並んでいました。
まるで写真のよう。
こんなとこに行けたらなあ、とかこんなとこに住めたらなあ、
なんて考えながら見て回りました。
デジタルアニメーション映像の上映も。
森美術館のメタボリズム展と重なるものがありました。
そして数日前に銀座に行った時は閉館後で泣く泣くあきらめた
「ブリヂストン美術館」へリベンジ。
コレクション展「くらべてわかる―印象派誕生から20世紀美術まで」を見ました。
隣り合う作品をくらべてみることで新しい発見を見出す展示方法です。
クロード・モネの「黄昏、ヴェネツィア」や
ポール・セザンヌ「帽子をかぶった自画像」、
ロダンの「考える人」、挙げたらキリがないのですが
教科書でも見たような作品がそれはもうたくさん!
それぞれの作品を見る楽しみと、比べて分かる楽しみ、
二重の方法で鑑賞を満喫することができたように思います。

それから日本橋の「西村画廊」へ。
舟越桂の彫刻の存在感は異常。
押江千衣子、小林孝亘、曽谷朝絵、町田久美、三沢厚彦や、
デイヴィッド・ホックニー、ピーター・ブレイク、リチャード・ハミルトンなど、
国内外の作家17人によるグループ展です。
なんとも豪華な顔ぶれ。
歩き疲れて銀座のドトールでココアを飲みながら休憩。
夜の東京を歩くのは今回はこの日で最後かーと思うととても感慨深くて。
夜の東京は喧噪の中ひとり寂寥感に駆り立てられますが、
心からやりたいと思えることをやれている充足感と、
憧れの生活をひとときでも味わえてる優越感のようなものに浸っていました。

あとメトロのりばの看板がレトロで思わず写真を!
そしていったん部屋に戻り、22時くらいから新宿に繰り出し高校の友達と居酒屋へ!
夜の新宿はそれはもうにぎやかで。男女が絡み合っている光景もあって衝撃。

いやー楽しかった!!いつ会っても変わらず笑い合えるのってすばらしーね!
お昼会った子も夜会った子も二人とも相変わらず面白かったし可愛かった。
幸せな気分で眠りに就き、いよいよ次は最終日を迎えます。

東京アート研修 その八。

 東京八日目。いよいよ終盤です。切ないです。

この日は清澄白河駅へ向かい、東京都現代美術館へ。
 野外彫刻がたくさん!

↑これ、中にも入れるようになっているのです。
中に入ってガラスに囲まれていると、自分も作品の一部になったかのよう。
ガラス越しに見える青の世界と空の青との調和が綺麗だった。

館内に入ってもまた開放的な空間。自然光が綺麗。晴れの日で良かった!!
企画展は「フレデリック・バック展」。
アカデミー賞を二回受賞し、アニメーションの至宝とされる
フレデリック・バックの作品と魅力に迫る展示です。
 まず入ってすぐ、フレデリック・バックの代表作であり
アカデミー賞を受賞したアニメーション、「木を植えた男」が放映されていました。
原画はこういうの。
じっくり、それはそれはじっくり見ました。
一瞬一瞬が儚く美しくて。色鉛筆のやわらかな筆跡による、
色彩の表現がとっても繊細で温かくて綺麗で!
そしてなにより物語に心を打たれました。
フレデリック・バックの温かな人間性をひしひしと感じます。

彼の初期の風景画、イラストやデザイン、テレビ番組などの美術設定にまでわたる
数多くの作品が展示され、終盤には彼の集大成である多くのアニメーション作品が。
アニメーションにおいては、どの作品においても強いメッセージがありました。
環境をはじめとし、動物、家族愛、あるいは先住民の文化など、
今日的な問題を洞察する彼の強い思いが読み取れます。

展示が終わると、こんなスペースが。
真っ白の紙コップとペンが置かれてあり、
観客が自分なりの「トーテムポール」を描いて飾れるようになっていました。
 私も3分くらいでチャッと描いて置いておきました。
ちなみに一番左上のやつ。ただ壁にあった絵を模写しただけ。
おもしろくなくてごめんなさいです。

フレデリック・バックの風景画は、彼のつくるアニメーション以上に好き。
特にこの絵は目が離せなかった。構図と陰影が絶妙だと思うのだけれど。
 それから常設展の「MOTコレクション」も見ました。
現代美術界をつかさどる有名作家達の作品がたくさん。
一番印象に残ったのは、ピピロッティ・リストの「A Liberty Statue for Tokyo」。
ちょっとした小部屋に入ると、ふわふわの床と、寝そべって天井を見つめる観客達。
床の中央には中くらいのサイズの画面が広がっていて、
私も他を見習って寝そべり、上を見上げると同じサイズの画面が。
二つの画面では鮮やかな色彩と軽やかなカメラワークによって
撮影された日本のどこかの町の風景。
普通に歩いてたらありえないような低い目線で風景を歩き、
ふわふわとあてもなくさまよう視線が非現実感を醸し出します。
寝そべってみることによるリラックスした気持ちも少なからず影響しているでしょう。
夢の中にいるようで、心地よくて、気付けば何十分も見つめてた。
上下の画面は同じ風景を写していると思われるけれど、
ちょっとした視線のズレで全く違う世界かのようにも感じられる。

展示の外にでると、こんなソファが。
これめちゃくちゃ気持ちいいのです。ほんとにふわっふわ。
そこまで包み込んでくれるのか!っていうくらいのフィット感。
ずっと座っていたかった。
 これまた野外彫刻。月のような形態が水面に反映している様子がちょっと幻想的。
 裏の外観はこんな感じ。ロゴがいいねー
東京都現代美術館を泣く泣く出て、清澄白河の下町情緒溢れる街道を歩きます。
 ちょっとしたイベントやってたみたいで、ルフィさんもおりました。
 正直、東京に来てたくさんの場所に行ったけれど、この町がどこよりも一番好きでした。
お店のひとつひとつに味があって、みんな幸せそうで、
子どもや学生たち、お年寄りも笑顔で通り過ぎて行く。
今まで見た美術館の中で一番楽しかった東京都現代美術館もあり、
ギャラリーもたくさんあり、そしてちょっと歩けば私の大好きな橋と川の組み合わせ。
隅田川です。
 ちょうど細長い船がのっそりと通り過ぎて行って、
もー泣きだしそうなくらい綺麗でどこか懐かしくて!
清澄白河に住めたらそれだけで幸せになれそう。
 隅田川のすぐそばにはギャラリストの第一人者、小山登美夫のギャラリー。
なんと丸八倉庫内にあるのです。
ギャラリーに行くには搬送用の大きなエレベーターに乗らないといけないみたい。
 小山登美夫ギャラリー以外にも、
KIDO Press、シュウゴアーツ、ゼンシ、タカ・イシイギャラリー、ヒロミヨシイと
たくさんのギャラリーが5~7Fに詰まっています。



 多すぎてそれぞれの展示を覚えていない!
もっとじっくり見れたら良かったな。でも一度にこんなにたくさんの
ギャラリーを見て回れるなんて、やっぱり清澄白河最強すぎます。
外観はこんな感じ!
 本当にただのビルにしか見えない!ここだと分かるまでかなり時間がかかりました。

そして清澄白河を出発し、恵比寿へ。
東京都写真美術館!
ジョンレノンの映画を放映する直前だったようで、かなりの人がいました。
展示は3つ行われており、「こどもの情景―こどもを撮る技術」展を見ました。
展示室内に体験コーナーがあって、カメラスタジオの再現セットが。
一人で照明のボタンをカチカチして遊んでたら
その姿があまりに悲哀を帯びていたのかなんなのか
スタッフのお姉さんが声をかけてくれ、スタジオのセットの椅子に座らされ
私のデジカメで撮影してくださいました。嬉し恥ずかしかった。